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ホワイトアウト・地吹雪で前が見えなくなったら ― 北海道の冬道で追突されないための止まり方
カーライフの知識2026-10-15

ホワイトアウト・地吹雪で前が見えなくなったら ― 北海道の冬道で追突されないための止まり方

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先に答え:前が見えなくなったら「減速・ライト・ハザード」。止まるなら道路の外へ

北海道の冬道で、吹雪や地吹雪で前が真っ白になる「ホワイトアウト」。慣れた道でも、数秒で道路と雪原の境目が分からなくなります。先にやることをまとめます。

  • 見える範囲で止まれる速さまで落とす:急ブレーキではなく、じわっと落とします。
  • 昼でもライトをつける:北海道警察の案内は「スピードダウン・ライト点灯・車間距離の保持」です。
  • 止まるならハザードを点けて、できるだけ道路の外の安全な場所へ:視界不良の事故の多くは、止まっている車への追突です。
  • 動けなくなったら車から離れない:マフラーのまわりの雪をどけてから暖をとります。

以下、北海道警察の資料「吹雪など視界不良時における交通事故の実態」(2022年・過去10年の事故を分析)の数字をもとに、理由と段取りを順に説明します。

北海道の視界不良の事故は「3月」と「昼間」に多い

1〜3月で9割。いちばん多いのは3月

北海道警察の資料では、過去10年の視界不良による人身事故は516件。そのうち1〜3月が90.1%を占め、月別では3月がいちばん多い37.2%でした(12月は9.5%)。雪がいちばん降る時期より、冬の後半のほうが事故は多いのです。「春が近いから」と油断しやすい3月こそ、吹雪の日の運転は慎重に。

朝7時から午後2時台で7割。明るい吹雪はライトが目立たない

夜より昼が危ない、というのも意外な点です。事故の73.1%が朝7時から午後2時台に起きています。北海道警察の説明では、明るい日中の吹雪は太陽の光と雪の乱反射で背景が明るくなり、車のライトが効きにくくなるため、対向車のライトも見えにくくなります。

半分以上が追突。その4分の3は止まっている車への追突

事故の形は追突が53.1%。そのうち75.9%(208件)が停止中の車への追突でした。前が見えなくなって止まった車に、後ろの車が気づかずに突っ込む、という形です。だからこの記事では「どう止まるか」をいちばん大事にしています。

前が見えなくなりやすい場所

北海道警察の資料は、視界が悪くなりやすい場所として次の4つを挙げています。

  • まわりが開けた平らな場所(畑や原野の中のまっすぐな道)
  • 道路脇の雪山が高い場所
  • 切土(山を削った所)と盛土(土を盛った所)の境目:急に風当たりが変わります
  • 峠や地形の険しい道路

事故の52.1%は市街地の外の直線道路です。道路脇の雪山から吹き込む雪が普通車の運転席の高さを超えると、見えるのは雪山の白い壁と舞う雪だけになります。街の中では、交差点の四隅に積み上げられた雪山が風を乱し、交差点で事故が多くなります。

普通車は大型車より先に見えなくなる

地吹雪は、地面に近いほど濃くなります。資料では、大型車の運転席の目の高さは約2.2mで、普通車より約1m高いとされています。つまり普通車のほうが先に前が見えなくなるのです。いっぽう大型車は減速が遅れ、ゆっくり走る普通車や止まった普通車にぶつかりやすく、吹雪のときの事故の起こしやすさは大型車が普通車の4.6倍でした。後ろにトラックがついているときほど、早めにハザードを点けて自分の存在を知らせましょう。

相手からは見えていても、こちらからは見えない

資料には、吹雪の中で行った見え方の実験が載っています。外に立った警察官からは約100m先の車のライトが見えたのに、車の中からは約30mまで近づいて初めて警察官が見えたそうです。車の中から見えている距離は、思っているより短いと考えておくのが安全です。

走っている途中で見えなくなったら

見える範囲で止まれる速さまで落とす

北海道警察は「視界の範囲で停まれる速度まで減速」するよう呼びかけています。人は前が見えなくなっても、直前に覚えていた道の形を頼りに、しばらく同じ速さで走り続けてしまいがちです。メーターを見て、意識して速度を落とします。凍った路面で急ブレーキを踏むと滑るので、ブレーキは早めに、じわっと。

昼でもライトをつけ、ライトに付いた雪を落とす

昼の吹雪でもライトは点けます。走っているうちにヘッドライトやテールランプに雪が付くと、相手から自分が見えにくくなります。気づいたら、道路から離れた安全な場所に止めて雪を落としましょう。ワイパーに雪が固まって前が見えにくいときの対策は冬用ワイパーはいつ替える?にまとめています。

車間をいつもより大きくあける

視界が悪いと距離感が狂い、前の車は実際より遠くに見えます(北海道警察)。いつもの倍くらいの車間を意識してください。大型車が巻き上げる雪煙にも注意が必要です。道路脇の赤白の矢印(矢羽根)は、道の端を知らせる目印です。

道の真ん中で止まらない

運転が難しくなったら、できるだけ安全な場所に止めてハザードを点けます。走っている車線の上で止まると、後ろから来る車に追突される形そのものです。道の駅、パーキング、コンビニの駐車場、除雪された広い場所など、道路の外に出られる所まではゆっくり進み、そこで天気が落ち着くのを待ちましょう。資料には、道路脇の吹き払い柵の下が雪で埋まっている所は吹きだまりができやすく、止めると排気ガスがこもりやすいという注意もあります。

動けなくなったら:車から離れない・マフラーの雪をどける

吹きだまりにはまって動けなくなったときは、北海道警察の案内では次の段取りです。

  • 車から離れない。ハザードや停止表示板で、まわりに知らせる
  • 助けを呼ぶときは、今いる場所をできるだけ正確に伝える
  • エンジンは原則止める。かけるならマフラーの出口のまわりの雪をどけてから

マフラーが雪で埋まると、排気ガスが車の中に入ります。JAFの実験では、マフラーが雪に埋まった車でエンジンをかけたままにすると、16分で一酸化炭素が短時間で危ない濃さ(400ppm)に達しました。窓を5cmほど開けていても約40分で同じ濃さになり、マフラーのまわりを除雪した車ではほとんど検知されませんでした。脱出の手順や待つ間にやることは雪道でスタックしたら?に詳しくまとめています。

出かける前にやっておくこと

道路情報と「吹雪の視界情報」を見る

北海道開発局の資料によると、北海道の国道で冬(12〜3月)に通行止めになった原因は、約6割が吹雪でした。吹雪は場所によって強さがまるで違い、短い時間で変わるのが特徴です。出発前に、国土交通省の道路情報提供システムで通行止めを確認しましょう。

寒地土木研究所は、冬のあいだ道内の視界の今の状況と予測を「吹雪の視界情報」で出しています(冬だけの提供で、メール配信もあります)。峠を越える日の前には、北海道の峠カレンダーで閉まる道も見ておきましょう。

燃料は多めに、スマホは充電して

北海道警察は、出発前に燃料・バッテリー・携帯電話の充電を確かめ、予定のルートと着く時間を家族に伝えるよう呼びかけています。足止めされたときに暖をとれるのは、燃料があるうちだけです。郊外へ出る日は早めに給油を。高速道路で給油できる場所は北海道の高速道路のガソリンスタンドにまとめています。車に積んでおくもの(毛布・スコップ・けん引ロープなど)は冬の車の準備を見てください。

「出かけない」も立派な判断

北海道警察の資料は、天気が悪くなり運転が難しいと思うときは、出発の時間を変える、公共交通機関を使う、出かけるのをやめることも必要だとしています。吹雪の日の予定は、一日ずらせるなら、ずらすのがいちばんの安全策です。

よくある質問

Q. ホワイトアウトとは?

吹雪や地吹雪で周りが真っ白になり、道路と景色の区別がつかなくなる状態です。道路脇の雪山から吹き込む雪が運転席の高さを超えると、見えるのは白い壁と舞う雪だけになります。

Q. 地吹雪と吹雪はどう違う?

吹雪は強い風で雪が舞う状態のことです。そのうち、雪が降っていなくても地面に積もった雪が風で舞い上がるものを地吹雪と呼びます。晴れている日でも起きます。

Q. 夜より昼のほうが危ないって本当?

北海道警察の資料では、視界不良の事故の約7割が朝7時から午後2時台に起きています。明るいと車のライトが目立たず、対向車や前の車に気づきにくくなるためです。昼でもライトを点けましょう。

Q. 前が見えなくなったら、その場で止まっていい?

道路の上で止まると、後ろから追突されるおそれがあります。視界不良の事故の追突のうち4分の3は、止まっている車への追突でした。見える範囲で止まれる速さまで落とし、ハザードを点けて、できるだけ道路の外の安全な場所に止めてください。

Q. 窓を少し開けておけば、エンジンをかけたまま待っても大丈夫?

大丈夫とは言えません。JAFの実験では、マフラーが雪に埋まった車で窓を5cm開けても、約40分で一酸化炭素が危ない濃さになりました。マフラーのまわりの雪をどけることが先です。

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公式情報:北海道警察「吹雪など視界不良時における交通事故の実態」(2022年)/JAFユーザーテスト「雪で埋まった車の一酸化炭素中毒」/北海道開発局の発表資料(吹雪による通行止め)/寒地土木研究所「吹雪の視界情報」

※ お出かけの前にご確認ください
掲載している内容は執筆時点(2026年10月)の情報です。道路の状況や情報の提供期間は変わることがあります。
お出かけの前に、北海道警察・国土交通省・寒地土木研究所などの公式情報を必ずご確認ください。

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