
中山峠の「あげいも」はなぜ名物になった?1968年誕生の由来と札幌からのドライブ【道の駅 望羊中山】
札幌からニセコや洞爺湖へ国道230号を走ると、中山峠の頂上で必ずと言っていいほど車が列をなす場所があります。道の駅 望羊中山。目当ては、串に刺さった丸い揚げ物「あげいも」です。
じゃがいもに甘い衣をつけて揚げただけの、ごく素朴な食べ物。それがなぜ半世紀以上も「峠の名物」として生き残り、道民のソウルフードとまで言われるようになったのか。誕生の由来から、札幌からのドライブ情報までまとめます。
あげいもとは——串に3個、甘い衣、当たりくじ付き
あげいもは、丸ごとのじゃがいも(1口よりやや大きいサイズ)を3個、串に刺して、ホットケーキのようなほんのり甘い衣をつけて揚げたものです。外はカリッ、中はほくほく。味付けはほとんどなく、衣の甘さといもの甘さだけで食べさせます。
望羊中山では「元祖 峠のあげいも」として販売していて、執筆時点の価格は1本350円(税込)。串には当たりくじが付いていて、当たるともう1本もらえる——この「当たり」も、半世紀続く人気の小さな仕掛けです。
生まれたのは1968年、物産館の職員の妻のひらめき
あげいもが誕生したのは1968年(昭和43年)。いまの道の駅の前身にあたる喜茂別町営「中山峠健民センター物産館」でのことです。
言い伝えによれば、物産館の男性職員が妻に「何か新しい名物を考えてほしい」と頼んだのが始まり。妻は地元の名産であるじゃがいもを使うことを思いつき、当時人気だったアメリカンドッグをヒントに、いもに衣をつけて油で揚げて出した——これが「あげいも」の原型とされています。
物産館そのものは昭和40年に、峠を越える旅人のための休憩所として整備されたもの。あげいもは休憩所の開設とほぼ同時期に生まれ、「峠を越える人のおなかを満たす一品」として定着していきました。以来50年以上、作り方の基本は変わっていません。
なぜ「峠」で名物になったのか
あげいもが名物になった理由は、味だけではありません。場所です。
- 札幌と道南・ニセコ・洞爺をつなぐ国道230号の、ちょうど真ん中。峠の頂上(標高約835m)は昔から「ここで一息入れる」場所で、休憩のついでに買う人が絶えなかった
- 片手で食べられて、車内でも食べやすい。串に刺さっていて、ドライブの途中の小腹を満たすのにちょうどいい
- 羊蹄山の眺め。望羊中山の名前のとおり、峠からは天気がよければ羊蹄山(蝦夷富士)が正面に見える。景色と一緒に食べる、という体験がセットになっている
- 「中山峠=あげいも」という刷り込み。子どものころ家族のドライブで食べた記憶を持つ道民が多く、大人になっても「通ったら買う」習慣が続く
つまり、あげいもは「道の駅グルメ」である前に、通り道の習慣なのです。北海道の道の駅が面白いのは、こうした「通りすがりの名物」が各地にあること。ほかの道の駅の名物は北海道おすすめ道の駅5選でも紹介しています。
道の駅 望羊中山の基本情報
- 所在地:北海道虻田郡喜茂別町川上345番地(国道230号・中山峠頂上)
- 営業時間:8:30〜17:30(レストランは10:30〜15:30)※執筆時点。季節で変わることがあります
- 定休日:年中無休(悪天候時は除く)
- 駐車場:あり・無料。連休や紅葉シーズンの昼前後は満車になることがあります
- 施設:1階にショップとあげいものファストフードコーナー、2階にレストランと展望台・休憩所
- 公式サイト:道の駅 望羊中山(公式サイト)
後志総合振興局のサイトにも、あげいもを紹介するページがあります:道民のソウルフード望羊中山の「あげいも」を味わう(後志総合振興局)
札幌からのドライブ——国道230号で約1時間半
- ルート:札幌市内 → 国道230号 → 定山渓 → 中山峠(望羊中山)。高速道路は使いません
- 距離・時間:札幌中心部から約70km、約1時間30分(混雑のない日中の目安)
- その先:峠を下れば喜茂別・留寿都・ニセコ方面、あるいは洞爺湖方面へ。札幌からニセコへ向かう途中の休憩地として最もよく使われます。ニセコ方面の情報は札幌とニセコ:北海道が誇る二大リゾートの魅力を
注意点:中山峠は北海道でも雪の多い峠で、冬は吹雪による視界不良や通行止めが珍しくありません。冬に越えるなら、出発前に道路情報を確認し、日中の明るいうちに通過する計画にしてください。夏でも峠の頂上は札幌市内より気温が5度前後低いことがあるので、羽織るものが1枚あると安心です。
あげいもをおいしく食べるコツ
- 揚げたてを、その場で。衣のサクサク感は冷めると落ちます。車に持ち帰って食べるなら、駐車場に着いてすぐが限界
- 1人1本が基本。じゃがいも3個は見た目よりボリュームがあります。あげいもだけで軽い食事になります
- ケチャップは好みで。衣の甘さをそのまま味わうのが元祖の流儀ですが、売り場で調味料を用意していることもあるので、好みで
- くじは捨てない。串の当たりはその場で交換。食べ終わるまで串の根元を見ないのが通の楽しみ方、だそうです
よくある質問
Q. あげいもは中山峠以外でも買える?
道内の他の道の駅や売店、イベントなどで「あげいも」の名で売られていることはありますが、「元祖 峠のあげいも」として1968年から続けているのは望羊中山です。食べ比べてみると、衣の厚さや甘さに店ごとの違いがあります。
Q. 冬も売っている?
道の駅は年中無休で、あげいもも通年販売が基本です。ただし中山峠は冬の悪天候で通行止めになることがあるため、出発前に道路情報の確認を。
Q. 混雑を避けるには?
連休や紅葉シーズンの11時〜14時が最も混みます。朝の開店直後か、15時以降が比較的ゆっくり買えます。
Q. 札幌から日帰りで中山峠とどこを組み合わせるのがいい?
定番は「中山峠でひと休み → ニセコまたは洞爺湖」です。片道1時間半なので、峠だけを目的に往復するより、その先とセットにする方が満足度が高いコースになります。
※ お出かけ・お手続きの前にご確認ください
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北海道のドライブの魅力全般については、絶景と大自然!北海道ドライブの魅力を徹底解説もどうぞ。




