
味噌バターコーンは「札幌」ではなく東京生まれ?|元祖・味の三平のお品書きにバターもコーンも無い話
観光客の「札幌ラーメン」と、地元の一杯はずれている
札幌の味噌ラーメンと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、黄色い縮れ麺の上にバターがひとかけ、コーンがひとつかみ載った一杯ではないでしょうか。ところが、味噌ラーメンを生んだ店として自ら「元祖札幌味噌ラーメン」を名乗る味の三平のお品書きには、バターもコーンもありません。そして「札幌ラーメン」という名前を全国に運んだチェーンの1号店は、札幌ではなく東京・両国で開いています。
この記事では、味の三平・西山製麺・どさん子の3社の公式サイトに書かれていることだけを並べて、観光客のイメージと地元の一杯がなぜずれたのかを整理します。あわせて、味の三平へ車で行くときの駐車場と営業時間(2026年9月時点)もまとめました。
元祖の店のお品書きに、バターもコーンも無い
味の三平(札幌市中央区南1条西3丁目・大丸藤井セントラル4F)の公式サイトに載っているお品書きは、次の通りです。基本の4種は、公式サイトのお知らせ(2026年8月22日付)で「材料の値上げに伴い、9月から1,000円から1,200円に値上げ」と告知されています。
| 品 | 価格(2026年9月〜) |
|---|---|
| 味噌ラーメン | 1,200円 |
| 醤油ラーメン | 1,200円 |
| 鉄火ラーメン(辛い味噌ラーメン) | 1,200円 |
| 塩ラーメン | 1,200円 |
| チャーシューメン/ワンタンメン | 1,500円 |
| お子様ラーメン | 800円 |
| ライス | 200円 |
| 手作りシューマイ(1コ) | 80円 |
| おみやげラーメン4食入(味噌2・醤油2) | 1,500円 |
| ビール(サッポロクラシック 350ml) | 500円 |
これで全部です。バターのトッピングも、コーンのトッピングも、メニューに存在しません。公式サイトの「店主のないしょ話」によると、初代店主が野菜をあれこれ試した末に落ち着いたのは長ネギ・玉ネギ・モヤシ・キャベツで、一時はピーマンを入れていた時期もあったものの、お客さんに不評で取りやめたそうです。元祖の一杯は、炒めた野菜とニンニクの効いた味噌スープ、それに縮れ麺という組み立てで、酪農王国らしい乳製品はどこにも出てきません。
「札幌ラーメン」の名前を全国に運んだのは、東京・両国の店
では、全国の人が思い浮かべる「札幌ラーメン」の像はどこから来たのか。株式会社どさん子の公式サイトの沿革を読むと、意外な順番が書かれています。
- 1961年 餃子飯店「つたや」として開業
- 1967年 両国に「札幌ラーメン どさん子」1号店を開店
- 1971年 北海道に逆上陸。500店舗突破
- 1974年 アメリカ・ニューヨーク上陸
- 2014年 ヨーロッパ初上陸(パリ)、アメリカに再上陸/2015年 オーストラリア上陸
つまり「札幌ラーメン」を看板にした店は東京で生まれ、北海道へは4年後に「逆上陸」しています。公式サイトは「ラーメンチェーンとして日本全国のお客様に味噌ラーメンを提供させて頂いてきました」と書いていて、いまのトップページは味噌ラーメン2品と醤油ラーメン、塩バターラーメンを「4本柱」として紹介しています。
ここで正直に書いておくと、「味噌バターコーンはどさん子が広めた」「バターコーンは東京生まれ」と言い切れる公式の記述は、執筆時点で見つかっていません。どさん子の沿革にも、バターやコーンをいつから載せたかは書かれていません。分かっているのは「元祖の店のお品書きにバターもコーンも無い」ことと、「札幌ラーメンの名前を全国に広めたチェーンは東京発」ということ。この2つの事実から何を読み取るかは、読者に委ねます。
1955年、札幌で麺とスープが出会った
味噌ラーメンの誕生には、もうひとつ主役がいます。札幌市白石区の西山製麺です。公式サイトの会社沿革には次のように書かれています。
- 1950年4月 創業者・西山孝之が「だるま軒」に入り製麺部門を担当
- 1953年8月 札幌市中央区南3条西8丁目で西山製麺所を開業
- 1955年1月 「札幌ラーメンのめん」の開発に成功(多加水熟成製法による卵入りで、ウェーブのかかったアシ・コシの強い生ラーメン)
- 1963年12月 西山製麺株式会社を設立
- 1965年1月 本州の業務店市場へ出荷開始
一方、味の三平の公式サイト「店主のないしょ話」では、二代目店主が「この縮れ麺を考えたのもウチの親父です。それ以前は、ラーメンの麺はストレートが当たり前でした。西山製麺さんと一緒に、濃厚なスープによくからんで、しかも食べるときにプルンと唇を楽しませてくれる麺を生み出したのです」と語っています。西山製麺の沿革には味の三平の名前は出てきませんが、味の三平側は「西山製麺と一緒に」と明言しており、縮れ麺の完成が1955年1月であることは西山製麺の沿革で確かめられます。味噌ラーメンそのものの誕生年は、味の三平の公式サイトには書かれていません(一般には1950年代半ばとされています)。
二代目店主が公式サイトで明かしている話
味の三平の公式サイトには「店主のないしょ話」というページがあり、二代目店主が父・大宮守人氏のエピソードを6つ書いています。伝聞ではなく本人の家族による証言なので、要点を紹介します。
- 都市伝説:味噌ラーメンを考案したのは初代の大宮守人氏。「味噌は体にいい」が持論で、味噌汁をヒントに「味噌味メン」を生み出した。「お客さんに『豚汁にラーメンを入れて欲しい』と言われて考えついた」という俗説は、二代目いわく「まったくの都市伝説」
- 食事:戦後の栄養不足の時代に「どんぶり一杯で喜んでもらえるか」がテーマ。炒めた野菜を載せたのは栄養バランスのため
- ニンニク:味噌ラーメン以前、ラーメンにニンニクを入れる習慣はなかった。戦時中に過ごした満州でニンニク料理に親しんだ初代が、味噌と相性のいいニンニクをスープに使うことを思いついた
- ラーメンライス:ラーメンとライスのセットも味の三平が発祥。皿に盛って出していたから「ごはん」ではなく「ライス」。いまもこのスタイル
- 店名:初代のあだ名「さんちゃん」が由来。屋台から店を出すとき、友達が「味の三平」と書いたのれんを作ってくれた
札幌ラーメンの通史は札幌ラーメン物語にまとめていますが、公式サイトの一次情報で読める「元祖の店の言い分」は、上の通りです。
味の三平へ車で行く:専用駐車場は無い、カモンチケットで乗り切る
味の三平は大通のど真ん中、大丸藤井セントラル(文具・書店のビル)の4階にあります。地下鉄大通駅の12番・17番出口、市電なら西4丁目電停が最寄りで、公共交通なら迷いません。車で行くときは、次の3点を押さえておいてください。
営業時間・休業日(2026年9月時点)
- 営業時間:11:00〜15:30/17:00〜18:20(15:30〜17:00は休憩。2026年3月3日から二部制)
- 休業日:毎週月曜+第2・第4火曜が基本。月ごとに変わり、連休や祝日の前後で追加の休みが入ることがある。行く月の休業日は公式サイトの「お知らせ」で確認
- 夜は18時20分まで。「観光の締めに夜ラーメン」は成立しない店なので、車で行くなら昼が基本
店舗案内ページには「11:00〜18:30」と書かれていますが、公式サイトのお知らせ(2026年2月14日付)で3月3日からの二部制が告知され、以降のお知らせもすべて二部制の時間になっています。新しい方を信じてください。
駐車場
- 公式サイトに「専用駐車場はありません」と明記
- 代わりに札幌都心共通駐車券「カモンチケット」の取扱店。加盟駐車場に停めて駐車券を提示すると、利用金額に応じてチケット(400円券・200円券)がもらえる仕組みで、味の三平は3,000円以上(税込)の利用で割引券を出す
- 味噌ラーメン1,200円なので、2人でラーメン+ライスやシューマイを頼めば3,000円に届く。1人で行くと届かない
- 大丸藤井セントラルでの買い物とは合算されない(公式サイトに明記)
- 使える駐車場は、札幌大通まちづくり株式会社の公式サイトにある「使える加盟駐車場リスト」で確認
もうひとつ、公式サイトのお知らせが自分で書いている注意があります。6月のよさこいソーラン祭りの期間は「土日は大通周辺が交通規制で道路が封鎖されるので、車で来られる方はご注意下さい」。雪まつり(2月)も「待ち時間が長くなると思われます」と書かれています。大通のイベント期間は、車で乗り付ける計画そのものを見直した方がいいでしょう。
お土産用の「おみやげラーメン4食入」(1,500円・味噌2、醤油2)は売り切れる日が増えているそうで、公式サイトは「来店する前日15時までに電話で予約」を勧めています(TEL 011-811-2297)。
大通で駐車場を決めてから店に向かうのが面倒なら、札幌駅周辺のラーメン店は札幌駅で味わう北海道のソウルフード:ラーメン激戦区に、いま食べに行くなら2026年最新!札幌のおすすめラーメン屋3選にまとめています。
よくある質問
Q. 味噌バターコーンは札幌の食べ物ではないのですか?
札幌の店でも出す店はたくさんあります。ただ、味噌ラーメン発祥の店・味の三平のお品書きにはバターもコーンもありません。「札幌ラーメン」を全国に広めたどさん子の1号店が東京・両国(1967年)で、北海道への出店は1971年の「逆上陸」だったことは公式沿革に書かれています。「バターコーンは東京生まれ」と言い切れる資料は執筆時点で見つかっていません。
Q. 味の三平の味噌ラーメンはいくらですか?
2026年9月から1,200円です(公式サイトのお知らせ・2026年8月22日付)。公式サイトのお品書きページには1,000円と書かれたままの箇所がありますが、お知らせの方が新しい情報です。
Q. 味の三平に駐車場はありますか?
専用駐車場はありません。札幌都心共通駐車券「カモンチケット」の取扱店なので、加盟駐車場に停めて3,000円以上(税込)利用すると割引券がもらえます。同じビルの大丸藤井セントラルでの買い物とは合算されません。
Q. 夜に行けますか?
営業は11:00〜15:30と17:00〜18:20の二部制で、18時20分に閉まります(2026年9月時点)。夜ラーメンには向きません。休業日は毎週月曜と第2・第4火曜が基本ですが、月ごとに変わるので公式サイトのお知らせで確認してください。
Q. お土産のラーメンは買えますか?
「おみやげラーメン4食入」(味噌2・醤油2、1,500円)があります。売り切れる日があるため、公式サイトは前日15時までの電話予約(011-811-2297)を勧めています。地方発送も同じ番号です。
まとめ
元祖の店のお品書きにバターもコーンも無く、「札幌ラーメン」の名前を全国に運んだ店は東京生まれ。観光客の思い浮かべる一杯と、札幌で生まれた一杯は、最初から別の道を歩いてきたのかもしれません。確かめに行くなら、営業は18時20分まで、駐車場は無し、カモンチケットは3,000円から。昼に2人で、駐車場を先に決めてから向かってください。
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公式情報:元祖札幌味噌ラーメン「味の三平」公式サイト(お品書き・店舗案内・店主のないしょ話・お知らせ)/西山製麺 会社沿革/株式会社どさん子 企業概要/札幌都心共通駐車券「カモンチケット」。味の三平の単独の公式SNSアカウントは、執筆時点で確認できていません。
※ お出かけの前にご確認ください
掲載している内容は執筆時点(2026年9月)の情報です。価格・営業時間・休業日は、味の三平の公式サイトのお知らせ(2026年8月22日付まで)に基づいていて、月ごとに変わります。ご利用の前に、公式サイトなど最新の情報を必ずご確認ください。




