
帯広の「中華ちらし」とは?酢飯でもあんかけでもない、給食にも出るご当地どんぶり
中華ちらしとは? 酢飯でも、あんかけでもない「ちらし」
帯広で「中華ちらし」を頼むと、出てくるのは色とりどりの具がのったどんぶりです。ただし酢飯ではありません。そして中華丼のようなとろみのあんもかかっていません。甘めの醤油味で炒めた豚肉やえび、白菜、もやしを、汁ごと白いご飯にのせる——これが帯広の中華ちらしです。
北海道学校給食会のレシピでは、イカ・ホタテ・エビなどの海鮮と豚肉、野菜を炒めて炒り卵をのせ、あんではなく醤油と砂糖の和風の味付けで仕上げる料理と説明されています。紅しょうがを添えるのが定番です。
つまり、名前に「ちらし」とあってもちらし寿司の仲間ではありません。見た目の彩りが「ちらし」、味は甘めの醤油、そしてとろみなし。中華丼との違いは「あん」があるかないかと覚えておくと分かりやすいです。この記事では、帯広市の学校給食センターや北海道学校給食会といった公的な資料で確かめられたことを軸にまとめます。
始まりは「まかない」。発祥の年には諸説
中華ちらしは、もともとお店の従業員が食べるまかない料理だったといわれています(北海道学校給食会)。余った具材で作るまかないが始まりだからこそ、具だくさんでご飯が進む味に仕上がっているわけです。
どの店のまかないだったのかについては、業界紙やホテルの紹介など複数の資料が、帯広にあった「割烹松竹」という店の名前を挙げています。ただし生まれた年は1967年・1968年・1970年と資料によって食い違っていて、はっきりしません。1960年代の終わりごろに帯広で生まれた料理、というところまでが確かなところです。
帯広では給食にも出る「ご当地メニュー」
中華ちらしが「帯広の料理」だといえるいちばん確かな証拠は、実は学校給食にあります。
帯広市学校給食センターは、家庭向けのお便り「食育通信」で、中華ちらしのレシピを2回載せています。
- 令和元年10月(No.76):「帯広のご当地メニュー☆レシピ紹介 中華ちらし(給食用にアレンジしてます♪)」
- 令和6年11月(No.127):「給食メニューレシピ紹介 中華ちらし」
市が自分で「帯広のご当地メニュー」と呼んでいるわけです。帯広で育った人にとって、中華ちらしは外食の名物であると同時に、給食で食べた味でもあります。
何が入っている? 給食レシピで見る基本の形
店ごとに具は違いますが、帯広市の給食レシピ(令和6年11月号)を見ると基本の形がよく分かります。
- 具: 豚肉(こま切れ)、むきえび、白菜、もやし、人参、玉葱、きくらげ、炒り卵
- 味付け: 醤油、日本酒、みりん、三温糖、塩、仕上げにごま油
- とろみ: 片栗粉は使わない
豚肉とえびを炒め、きくらげ・人参・玉葱・白菜・もやしを加え、調味料で味をととのえたら炒り卵を混ぜて、温かいご飯にたっぷりのせる。これだけです。お店では、ここにイカやホタテなどの海鮮が加わることもあります。
食べられる店
帯広では多くの中華料理店や食堂のメニューに中華ちらしがあります。発祥の流れをくむとして、業界紙や地元メディアで紹介されてきたのが「あじ福 みなみ野店」です。
- 住所: 帯広市南の森東2丁目12-19
- 電話: 0155-48-3719
- 営業時間・定休日・駐車場: 掲載サイトによって記載が分かれているため、この記事では載せていません。訪問前にお店へ直接ご確認ください
町の中華料理店や食堂は、公式サイトを持たない店が少なくありません。営業時間の情報はグルメサイトごとに違っていることがあるので、遠くから車で向かうときほど、前日か当日朝の電話確認が確実です。
札幌から車で行くなら。インデアンカレーとはしごする帯広
札幌から帯広までは約208km、車で4時間強が目安です(北海道の距離と所要時間の早見表)。日帰りもできますが、せっかくなら帯広の名物を1日で2つ味わいたいところです。
帯広にはもうひとつ、地元の人が日常的に食べる名物があります。インデアンカレーです。昼に中華ちらし、帰りにルーを買って帰る、というはしごも楽しめます。詳しくはインデアンカレー帯広完全ガイドをどうぞ。
注意したいのは、町の食堂は昼の営業が14時ごろまでという店もあること。遅めの昼ごはんのつもりで着いたら閉まっていた、ということにならないよう、帯広に着く時間は昼の12時台を目安に計画しておくと安心です。道東方面へ抜けるなら、三国峠の記事も参考になります。
家で作る・スーパーで「たれ」を探す
中華ちらしは家庭でも作りやすい料理です。前の章の給食レシピのとおり、特別な材料はほとんどいりません。コツは片栗粉を入れないこと。とろみをつけると中華丼になってしまいます。
もっと手軽な方法もあります。2024年には、帯広のスーパー・ダイイチが地元の老舗中国料理店と組んで「中華チラシのたれ」(170g・398円)を売り出し、「予想以上に売れている」と地元紙の十勝毎日新聞が伝えました(2024年9月26日)。いま棚にあるかどうかまでは確認できていませんが、帯広のスーパーに寄ったら調味料売り場をのぞいてみる価値はあります。
よくある質問
Q. ちらし寿司とは関係ありますか?
ありません。酢飯は使わず、白いご飯に炒めた具をのせる料理です。彩りのある見た目が「ちらし」の名前につながったといわれています。
Q. 中華丼とは何が違いますか?
いちばんの違いは「あん(とろみ)」です。中華ちらしは片栗粉でとろみをつけず、甘めの醤油味で仕上げます。
Q. いつ、どこで生まれたのですか?
帯広のお店のまかない料理が始まりといわれています。生まれた年は1967年・1968年・1970年と資料によって違い、はっきりしていません。
Q. 帯広のどこで食べられますか?
市内の中華料理店や食堂のメニューにあります。営業時間は店ごとに違い、昼の営業が短い店もあるため、訪問前にご確認ください。
まとめ
中華ちらしは、帯広のお店のまかないから生まれた、酢飯でもあんかけでもないご当地どんぶりです。帯広市が給食のレシピとして2回配るほど、地元の暮らしに根づいています。札幌から車で4時間強。昼に着ける時間で出て、インデアンカレーとはしごするのが、いちばん帯広らしい一日の作り方です。
あわせて読みたいインデアンカレー帯広完全ガイド!札幌にある?営業時間・おすすめメニューまで徹底解説
公式情報:帯広市学校給食センター「食育通信」(No.76・令和元年10月/No.127・令和6年11月)/北海道学校給食会「中華ちらし(帯広市)」/十勝毎日新聞(2024年9月26日)。中華ちらしを出す各店の単独の公式サイト・公式SNSアカウントは、執筆時点では確認できていません。
※ お出かけの前にご確認ください
掲載している内容は執筆時点(2026年9月)の情報です。営業時間・定休日・価格・販売状況は変更されることがあります。ご来店の前に、お店へ直接ご確認ください。




