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松前漬の数の子は、もともと「安い材料」だった|由来と、車で行く松前町で買える店
グルメ・食の豆知識2026-10-22

松前漬の数の子は、もともと「安い材料」だった|由来と、車で行く松前町で買える店

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松前漬ってどんな料理?

松前漬は、するめ・昆布・数の子を、醤油やみりんの漬け汁に漬けた北海道の郷土料理です。冬の保存食として作られてきて、いまも冬の定番。正月料理として食卓に出ることも多い一品です。

発祥は江戸時代の松前藩(いまの松前郡松前町)といわれています。作ってきたのは、漁師の家のお母さんたちでした。

正月に数の子がたっぷり入った松前漬を見ると「これは豪華だ」と感じます。ところが、この料理が生まれたころは事情が逆でした。

数の子は「ぜいたく品」ではなく「安い材料」だった

農林水産省の「うちの郷土料理」によると、松前漬はニシン漁が栄えた江戸時代後期から明治時代に、大量にとれたニシンの卵=数の子を使い、スルメイカと昆布を合わせて作られていました。

同じ農水省の「にっぽん伝統食図鑑」は、漁師の妻たちが冬の保存食として、安価だった数の子とするめいか、昆布を漬けたのが始まりとされる、と紹介しています。

そして今は、数の子の値段が上がり、昔に比べて使う数の子の量は減りました。いま多く使われているのは、するめいかと昆布です。

「数の子入りは高級版」という今の感覚は、材料の値段が入れ替わった結果なのです。

はじめは醤油ではなく塩漬けだった

伝統食図鑑によると、松前漬は発祥当初、醤油漬けではなく塩漬けでした。味覚の好みが変わり、いまは醤油ベースが主流になっています。

味付けは店によってさまざまで、塩味のものや山菜入りのもの、ほたて・あわび・わさび菜入りなども売られています。「正式な配合」が一つあるわけではありません。

ニシンの町から、するめの町へ

松前町の公式サイトには、ニシンの盛漁期のにぎわいを表した「松前の春は江戸にもない」という言葉が紹介されています。

そのニシンは、やがて獲れなくなりました。伝統食図鑑は理由として、江戸時代末期に2隻の船で魚群を囲む「建て網」が広まって乱獲が進んだことと、水温の変化で産卵が妨げられたことを挙げています。ニシン漁は明治の末ごろから昭和にかけて細っていき、松前ではスルメイカ漁が本格的に行われるようになりました。

町の公式サイトでは、昭和40年以来するめの加工は漁業者から加工業者に移り、16の工場が操業、隣の福島町と合わせて全国シェアの8割を占める日本一のスルメ生産地と紹介されています。するめは昆布とともに、結婚式や正月の祝い事に欠かせない品でした。

数の子が減ってするめと昆布が主役になったのは、町の漁そのものが変わったからでもあります。

なお伝統食図鑑は、1937年(昭和12年)に函館山形屋の初代社長・海藤政雄が初めて松前漬を商品化し、全国へ広まったとされる、と紹介しています。家庭の保存食が、商品として全国に知られるようになりました。

同じニシン漁の時代に生まれた道南の味は、こちらにもまとめています。

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松前町へは車がいちばん早い

松前町の公式サイトの交通案内では、車での目安はこうなっています。

  • 函館駅から 約95km・約2時間
  • 新函館北斗駅から 約90km・約1時間50分
  • 函館空港から 約100km・約2時間30分
  • 木古内駅から 約55km・約1時間

路線バスは、函館駅から木古内で乗り換え、約3時間。直通便はありません。函館から松前へは、車がいちばん早く着きます。

札幌からは、まず函館まで一般道の最短ルートで約250km。そこから先がさらに約2時間です。函館に1泊して、翌日に松前へ往復する計画が現実的です。

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松前町で松前漬を買える店

松前町の観光案内(北海道まつまえ観光物産協会)に載っている、松前漬を扱う店です。年末年始は休業なので、正月用に買うなら12月の早めに。行く前に電話で営業日を確かめてください。

道の駅 北前船 松前

松前城の近く、国道228号の海沿いにある道の駅。松前の水産加工品やお菓子と一緒に、本場の松前漬が並びます。

松前物産館よねた

前浜でとれた魚介を自社工場で加工して売る店。数の子・たこ・ごぼう入りなど、松前漬の種類が多いのが特徴です。

あさみ商店(松前藩屋敷内)|春〜秋に行くなら

手作りにこだわる松前漬の店。本造り・数の子入り・わさび菜・つぶ貝・ほたてなどがあり、するめを刻むところから自分で作る松前漬づくり体験(大人2,500円・約60分・要相談)も受けています。店があるのは松前藩屋敷の中で、藩屋敷の開館は2026年は4月10日〜10月31日(町の広報)。冬は休みなので、正月用には道の駅で。春の桜や秋のドライブのときに寄る店です。

町の最新の催しは、北海道まつまえ観光物産協会の公式Instagramでも発信されています。

家で作るなら(農水省のレシピ)

農水省「うちの郷土料理」のレシピ(4人分)は、スルメイカ1枚・昆布60cm・数の子2〜3本に、醤油1カップ、みりんと酒を各大さじ3〜5、塩少々。

  1. スルメイカと昆布を千切りにし、数の子は塩出しして薄皮をむき、ほぐす。
  2. 醤油・みりん・酒・塩を合わせた容器に入れ、約1週間漬け込む。
  3. 器に盛り、柚子のみじん切りを添える。好みで大根やかぶの千切りを加えてもよい。

伝統食図鑑のコツは、するめいかを繊維に沿って細く切ること。繊維を断つと歯ごたえがなくなるためです。市販品を買ったときは、保存方法と期限は商品の表示に従ってください。

道南の冬の家庭料理は、ほかにもあります。

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よくある質問

Q. 松前漬に数の子が少ないのはなぜですか?

数の子の値段が上がったためです。ニシンが大量にとれた時代は安い材料でしたが、今はするめいかと昆布が中心になっています。

Q. 松前漬の名前は松前町から来ていますか?

江戸時代の松前藩(いまの松前町)が発祥といわれています。

Q. 松前町へ公共交通で行けますか?

行けますが、函館駅からは木古内で乗り換えて約3時間かかります。車なら函館駅から約2時間です。

Q. 正月用に松前町で買うなら、いつまでに行けばいいですか?

道の駅北前船松前と松前物産館よねたは年末年始が休みです。12月の早めに、電話で営業日を確かめてから出かけてください。松前藩屋敷内のあさみ商店は冬は休業です。

まとめ

松前漬は、ニシンが大量にとれた時代に、安かった数の子とするめ・昆布で漬けた冬の保存食でした。ニシンが去ってするめの町になった松前は、函館から車で約2時間。正月前の買い出しを兼ねて、函館泊のドライブで足を延ばしてみてください。

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出典:農林水産省「うちの郷土料理」松前漬 北海道/農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」松前漬け/松前町「するめの歴史」/松前町「交通アクセス」(2026年10月時点)

※ お出かけ・お手続きの前にご確認ください
掲載している内容は執筆時点(2026年10月)の情報です。営業時間・料金・定休日・開催日程・制度などは変更されることがあります。
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